【勉強会議事録】令和7年度 第1回 障害者勉強会(障害者の虐待防止と権利擁護)
開催日時:令和7年6月13日(金)15:20~18:00
場所:藤沢商工会議所(ミナパーク)303会議室
参加対象:社員全員
司会:小山 記録:野中
1.開会(はじめに 深澤社長より)
本日は講師の4人の皆様、お忙しい中、私どもの勉強会のためにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。講義をとても楽しみにしております。そして、ただ楽しみということだけではなくて、しっかりと私たち腹落ちするようにしたいと思います。当社では虐待防止の勉強会を何回も開催していますが、虐待というのは、例えば支援員が利用者さんに暴力を振るうだけが虐待ではありません。当社でも、利用者さんと世話人さんが仲良くなって遊びに行ってしまい、お金の貸し借りを発生してしまったというトラブルがありました。これも虐待に当たります。なので、そういうことを一切起こさせてはいけないということで、皆さん一人一人が肝に銘じてやっていただきたいと思います。皆さん、しっかりと勉強してください。私も勉強します。よろしくお願いします。以上になります。ありがとうございました。
2.研修の意義について(水島委員長より)
本日、障害者の虐待防止と権利擁護というテーマで、藤沢市の障がい者支援課の虐待防止センターの高井様、吉田様、高橋様、それから、ふじさわ基幹相談支援センター「えぽめいく」の所長の吉田様が講義していただくことになりました。こうした機会は本当に貴重ですので、今回お話しいただいた内容を活かして、虐待防止、そして、それを未然に防ぐということと、早期発見、迅速な対応、また、その後の適切な支援を行うためにも、今日のお話をしっかりと腹落ちさせて頂きたいと思います。先ほど深澤からも話がありましたが、やはりここの部分っていうのは非常に大切なもので、国や県をあげて、今、注目されていることになっています。管理者やサービス管理責任者、支援員だけでなく、FCCグループとして、今日の勉強会でしっかり学んで、今後の業務の中でスタッフさんのためにいい環境、そして、私たち自身もいい関係性を築けるための勉強会になります。なのでこの後に講義いただいた内容と、グループディスカッションも含めて学んでいけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
(次ページへ)
3.講座:「障害者虐待と権利擁護について」
① 藤沢市障がい者支援課 虐待防止センター 虐待防止相談員:高井様・吉田様・高橋様より、
「藤沢市における障がい者虐待の実際」についての講義がありました。(詳細は資料参照)
② 藤沢基幹相談支援センターえぽめいく 所長 吉田様より、「職員のこころの健康」についての講義がありました。(詳細は資料参照)
4.グループ討議「虐待防止のために必要なことは?」(細川より)
虐待行為、不適切行為を皆さんの視点で挙げてみて、そこから虐待防止のために必要なことを考えてみてください。
5.グループ討論からの各グループ発表
5グループ(発表者:伊瀬谷):
5グループでは、皆さんにそれぞれご自分の経験など感じていることを発表していただきまして、どの方も一生懸命に支援をされていますが、自分はそのつもりで言ったわけではないのに、言ったことが相手のスタッフさんにとって、あまりいい受け取り方をされなくて、自分のほうも傷ついているっていうような話が上がりました。そうした時にどうしたらいいかについてお話し、何でもチームでやっていくっていうこと、記録を取ること、チームで支援していって、自分の目だけでその人を見るのではなく、2つの目、4つの目、6つの目で見ること、あとは担当者を変えるということが話に上がりました。そしてもう1つは、組織としては行政に連絡・相談をしていくのが大事だというお話も上がりました。それから、心のケアということで、自分自身のストレスをどうすればいいのかについての話になり、カスタマーハラスメントの発表会みたいだなっていう話になりました。その時に自分の気持ちも安定していないと処理ができないので、それはすごく大事だということで、皆さん考えておられました。とにかく一人で考えないということと、自分も大事にして自分と付き合って、他人も大事にするっていうのが大事ですねという結論になりました。ですので、一番大事なのは記録を取ることと行政への相談、一人で抱え込まないことの3点となります。以上です。
3グループ(発表者:佐藤):
3グループでは、虐待防止のために必要なことを話し合いいたしました。まず1つ目が、「FCC16ヶ条」や「るる8ヶ条」にもある通り、挨拶をしっかりすることや心配りをすることで、まずはコミュニケーションの第一歩につながると思います。また、コミュニケーションを取る際は優しく接すること、常に落ち着いていることが大切だと思います。そのためにも支援員側が、心にゆとりや余裕を持つことが非常に大事だと思います。次に、チームで支援することが重要だと思います。勉強会でもお話がありました通り、自分で抱え込まないようにすることが重要になります。自分の日頃の言動や行動、今の支援は本当にいいのかどうかということを、第三者視点も含めて共有することが大切です。また、事例を共有できるようにして、今まで障害を持っている方と関わりがなかった方や少なかった方でも同様な対応ができるように福祉タスクを活用することが重要であると思っております。
(次ページへ)
また、ある程度の対応マニュアルがあると、対応が取りやすくなるのではないかと思っております。また、その方の障害特性だけで見るのではなく、一番いいところを見て、お互いにいい関係性を作っていく必要があると思います。そして、支援する側がストレスを溜めないことが重要であるという話になりました。以上となります。
1グループ(発表者:大内):
1グループで話し合った結果としては、まず1番に虐待に必要なこととして、相手への理解と特性、
すなわち、相手の特性や考え方を理解して、一人一人に合わせた接し方が重要だということが話に出ました。健常者・障害者に関わらず、相手を一人の人間として理解するように努める姿勢が大事だという話が出ました。2番目にコミュニケーションです。これは傾聴して相手に安心感を与えて、対等な関係を築くことが求められます。その中で威圧的にならずに相手の自主性を引き出す伝え方を工夫するというところが大事ではないかという話ができました。3番目にチームでの支援と自己管理。これは、一人で支援をすると壁にぶち当たる可能性が高いので、複数人で支援をするといったチームを作ることが大事だということです。先ほどの研修でもありましたけど、やはり同じことだなと納得いくところでありました。そして自己管理という部分では、メンタルヘルスケアやストレスマネジメントも、質の高い支援を継続するために必要だという話がでました。そして、自分自身の行動を客観的に振り返る機会が大事だという話も出ました。4番目に報告と改善。虐待の未然防止だけでなく、発見したときの報告体制がちゃんと整っているといいのではないかという話が出ました。また、報告後の不安を解消するための具体的な対応策を学ぶことも重要だという話が出ました。今回の議論では、当たり前だと思っていた行動が不適切であると気づかされる部分もあり、人間関係の難しさや奥深さを改めて感じる機会となりました。これで締めたいと思います。
4グループ(発表者:タパ):
虐待防止のために何が必要かということで話し合いを行いまして、その中で、最初に話したのは、ま
ず支援する側の私たちが自分自身の心に余裕を持ってリラックスして、その中で支援することが何より
も一番大事ではないか、という話を出ました。その中で、まず関係性を良くするためにコミュニケーシ
ョンが取ることは大事ですが、コミュニケーションを取るためにも、相手の特性や性格を知った上で話
しかけることも必要だという話が出ました。その中でもそのコミュニケーション取りすぎないように、
支援していく上で踏み込みすぎないように気をつけることも大事だという話も出てきました。その中で
相手を全て知ることもできない場合もありますので、何よりもその相手に関心の持つことが大事だとい
う話も出ました。あと、何かお願いするときも、説明した後に理解してくれているかとか、なかなか分
かってもらえなかったりとか、その小さな言葉が重なったりとかして、大きなストレスになってしまっ
たりすることもあるので、しっかりと合理的配慮につながるようなことをやっていけたら、虐待防止に
つながるのではないかという話をしました。ありがとうございました。
2グループ(発表者:中村):
まず、支援者としての対応・意識ということで、言葉遣いや態度に無意識の虐待が隠れていて、この小さなきっかけが虐待に繋がるという話が出ました。それを改善するには、それが虐待に当たるということや、自分を知ること、自分たちは支援をしていることを忘れてはいけないという話が出ました。そして、支援者の困りごとは、スタッフ本人の困りごとという意見もありました。
(次ページへ)
次にスタッフとの関係づくりについてですが、本人の意見をどうやって引き出していくのかがポイントではないかという話になりました。スタッフと向き合うことや傾聴すること、朝礼の時間や一日の始まりのコミュニケーションを大切にすること、こちらで決めつけて話すのではなく、相手に答えてもらえるような質問をしたり、健常者同士であっても信頼関係を築くのは大変なので、スタッフとの信頼関係を築くのはそれ以上に大切にしなければならないという意見になりました。最後に、チームや組織としてはどのような体制であるべきかという話になり、まずは相談しやすい環境であるべきで、「それは虐待だよ。」と、支援者同士で言い合える関係性も大切だという話も出ました。そして、支援者と支援者がお互いに厳しい目を持つことが大切だという話になりました。最後に、「虐待と甘やかしは違う」とか「甘えと優しさは違う」という話になり、あくまでスタッフは自立を目指しているということを決して忘れてはいけないとグループでまとまりました。以上となります。
6.発表からのまとめ(石黒より)
皆さん、お疲れ様でした。とても良い討論だったと思います。研修内容についても、まず表紙から「職員の心の健康」っていうサブタイトルについています。このレジュメですが、17ページ以降は、自身のコミュニケーションについて触れられています。良いコミュニケーション、してはいけないコミュニケーションというのもありますので、研修が終わったから終わりというのではなく、このレジュメをもう一度読み、虐待を起こさないというより、自分自身の精神安定、あるいは部下やパートさんやスタッフの精神衛生を確認して、いいコミュニケーションを取りながら、全体がいいチームでやっていきたいと思います。今日はお疲れ様でした。どうもありがとうございました。
7.総評(深澤社長より)
皆さんご苦労様でした。人間尊重というのは一番大切です。だから人を下に見ないようにすることが大切です。障害者も私たちも人としての価値は同じであって、絶対に人を見下して見てはいけないです。その中で怒ったり叱ったり、イライラしたりすることもあると思いますが、それは人間だから仕方がないと思います。その上で問題提起をさせていただくと、例えば、支援員が障害者に暴力を振るってしまうことがあったとします、これは分かりやすく絶対に虐待となり、これは絶対にしてはいけません。しかしそうではなく、微妙なラインというのもあります。微妙なラインというのは、そんなにうまく解決できないと私は思います。例えば、藤沢市の認定となった虐待事案8事案の中にも微妙なラインを想像させる事案がありました。然し結果として虐待認定を受けております。
私たち直接支援に関わる者は微妙なラインを理解することができるはずです。だからこそ微妙なラインっていうのは自分たちで絶対に判断してはいけません。だから私は、「何かあった時には必ず行政に連絡してください。藤沢市の障害支援課に連絡してください。神奈川県に連絡してください。横浜市に連絡してください。」と言っています。こちらがいいと思ってやったことでも、虐待だと思われてしまうことがあります。だから必ず然るべき行政窓口に相談をするということを忘れないようにお願いします。それは即ち障害者の人権並びに事業所を守ることになるからです。
どうぞ皆さんしっかりと意識して日々の支援に従事下さることを伝えさせていただきます。
以上になります。 (次ページへ)
8.閉会(小山より)
以上で障がい者勉強会を閉会いたします。ありがとうございました。
以上